しあわせ食堂の異世界ご飯5
「くっそー、俺も結構うまいほうだと思ってたんだけどな」
カミルがため息をついて、料理のために剣の稽古もしてみようかな?なんて言う。
「リントさんはずっと剣を握ってるから、こういう動作が上手なんだよ。カミルはちゃんと包丁で上達して……。そうすればほら、飾り切りとかもできるようになるから」
「かざりぎり?」
初めて聞く単語に、カミルが教えてくれと手を合わせる。料理人ではないリントがとても手際よくミンチにしていくのがよほど悔しいらしい。
「じゃあ、実際に見たほうが早いからやってみるよ」
アリアは倉庫から林檎をひとつ持ってきて、一番小さな包丁を取り出した。
(最近はやってないけど、一時期ハマって毎日やってたから体は覚えてるはず)
包丁を斜めに寝かせ、林檎の表面を浅く切っていく。普段とは違う剥き方に、カミルだけではなくリズも真剣に見つめてきた。
まずは格子模様を林檎の表面に描き、白くする皮の部分だけを切り取っていく。間に蝶々の形を入れると、たったそれだけで華やかな林檎になる。
そして裏側の面には、包丁の刃を深く入れて彫り、見事な大輪を咲かせた。
カミルがため息をついて、料理のために剣の稽古もしてみようかな?なんて言う。
「リントさんはずっと剣を握ってるから、こういう動作が上手なんだよ。カミルはちゃんと包丁で上達して……。そうすればほら、飾り切りとかもできるようになるから」
「かざりぎり?」
初めて聞く単語に、カミルが教えてくれと手を合わせる。料理人ではないリントがとても手際よくミンチにしていくのがよほど悔しいらしい。
「じゃあ、実際に見たほうが早いからやってみるよ」
アリアは倉庫から林檎をひとつ持ってきて、一番小さな包丁を取り出した。
(最近はやってないけど、一時期ハマって毎日やってたから体は覚えてるはず)
包丁を斜めに寝かせ、林檎の表面を浅く切っていく。普段とは違う剥き方に、カミルだけではなくリズも真剣に見つめてきた。
まずは格子模様を林檎の表面に描き、白くする皮の部分だけを切り取っていく。間に蝶々の形を入れると、たったそれだけで華やかな林檎になる。
そして裏側の面には、包丁の刃を深く入れて彫り、見事な大輪を咲かせた。