しあわせ食堂の異世界ご飯５
「私からしてみれば十分すごいし、羨ましいですけどね。やっぱり、どうしても料理にも力仕事は必要ですから」
　その最たるものが、食材の準備と大きなフライパンだろうか。腕の筋肉ばかりついてしまうのではないかと、いつも気になってしまう。
　アリアは包丁を手に取って、ニンジン、玉ねぎ、数種類のきのこを切る。それを鍋に入れて、作り置きしている出汁を入れて弱火にかけておく。
　今度はみじん切りの玉ねぎを鍋に入れ、その上にバターを載せてしんなりするまで炒める。
「玉ねぎの粗熱が取れたら混ぜる……っと」
　アリアが時間がかかってしまうけれど仕方ないと考えていると、リントが「冷ませばいいのか？」と、風の魔法を使って簡単に粗熱をとってしまった。
「わ、便利……！　ありがとうございます、リントさん」
「ああ」
「これで時間を置かずに次へ進めます。リントさん、ミンチもらいますね」
　ミンチをボウルに入れて、冷ましたみじん切りの玉ねぎを入れて、塩と胡椒で味を調える。そこに卵とパンを入れて手で混ぜる。しばらく続け、粘り気が出てくれば準備は終わりだ。
「うん、いい感じ」
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