しあわせ食堂の異世界ご飯5
 スープも沸騰してきたので、混ぜ合わせたミンチ肉を片手で持って、親指と人差し指を使ってひと口サイズにちぎり鍋へ入れる。
「てっきりハンバーグを作ってるのかと思ってた」
 作業工程を見ていたリントは予想が外れてしまったと、鍋の中を覗き込む。
「残念。これは肉団子スープですよ」
 お肉と野菜の旨みがたっぷり染み込んだスープなので、ハンバーグにだって負けないくらい美味しくできあがる予定だ。
 さらにきのこをたっぷり入れているので、歯ごたえもいいだろう。
 ちょっと味見をし、足りない調味料で味を調えていく。あと少し煮込めば、スープはできあがる。
「でもこれだけじゃ足りないから、お肉を焼いてサラダを作っちゃいますね」
 ちゃちゃっと材料を揃えてサラダを作り、鶏肉は皮の部分がパリパリになるよう水を入れた鍋を蓋がわりにして押し焼く。
 あっという間にできあがった二品に、リントは感心しっぱなしだ。
「あとはこのレタスをちぎって、スープに入れたら食べられますよ」
 レタスは最後に入れるとシャキシャキの食感が残るので、とっても美味しいのだ。

 本日のメニュー、『きのことレタスの肉団子スープ』の完成だ。
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