しあわせ食堂の異世界ご飯5
もしかして、自分にだけ特別に用意してくれたのだろうか。
(でも、リベルト陛下が発言を取り下げるなんてないと思うけど……)
それでも少し、期待してしまう。
ドキドキ高鳴る胸を押さえながら、アリアはペーパーナイフで封を切る。そして中から出てきたのは手紙――ではなく、夜会の招待状だった。
「…………んんん?」
アリアがジェーロに来てから、王家主催の夜会は一度も開かれたことがない。
リベルトがそういったことに無関心だからだと思っていたけれど、そうではなかったようだ。
困惑しているアリアに、シャルルが補足説明をする。
「その招待状は、ローレンツさんから預かったんです。終戦してからだいぶ経ちましたし、王家主催の夜会をずっと開かないままだと外聞も悪くなってしまうそうですよ」
「それは……そうね。令息や令嬢は夜会で結婚相手を探すことも多いから、そういった場を設けることは大切だもの」
けれどなにより、中立派の貴族を取り込む必要がある。
今、ジェーロ帝国の貴族は皇帝であるリベルトの派閥、先帝の弟であるロスタン公爵の派閥、どちらにも属さない中立派の貴族で成り立っている。
(でも、リベルト陛下が発言を取り下げるなんてないと思うけど……)
それでも少し、期待してしまう。
ドキドキ高鳴る胸を押さえながら、アリアはペーパーナイフで封を切る。そして中から出てきたのは手紙――ではなく、夜会の招待状だった。
「…………んんん?」
アリアがジェーロに来てから、王家主催の夜会は一度も開かれたことがない。
リベルトがそういったことに無関心だからだと思っていたけれど、そうではなかったようだ。
困惑しているアリアに、シャルルが補足説明をする。
「その招待状は、ローレンツさんから預かったんです。終戦してからだいぶ経ちましたし、王家主催の夜会をずっと開かないままだと外聞も悪くなってしまうそうですよ」
「それは……そうね。令息や令嬢は夜会で結婚相手を探すことも多いから、そういった場を設けることは大切だもの」
けれどなにより、中立派の貴族を取り込む必要がある。
今、ジェーロ帝国の貴族は皇帝であるリベルトの派閥、先帝の弟であるロスタン公爵の派閥、どちらにも属さない中立派の貴族で成り立っている。