しあわせ食堂の異世界ご飯5
 こんなことを考えてしまうのは、デザイナーの描いているデザインがどれも肌の露出が多いものだからだ。
 背中が大きく開いたものや、肩が大きく出ているエンパイアラインのドレス。リボンやレースの装飾でとても上品な仕上がりになっているが、自分が着るとなると萎縮してしまいそうだ。
「アリア様、採寸が終わったので着替えを行いますね」
「ええ、お願いシャルル」
 デザインの決定にはしばらく時間がかかりそうなので、アリアはドレスを着なおした。そのままソファへ腰掛けると、シャルルが紅茶を淹れてくれる。
「どんなデザインのドレスになるか、楽しみですね! アリア様は前髪を上げるとぐっと大人の魅力が出てきますから、どんなものでも着こなしは問題ないと思います!」
「ありがとう、シャルル。夜会のときは、準備をよろしくね」
「もちろんです。最近は、時間があるときに王城の女官に髪のセット方法なども教えてもらったりしてるんですよ」
 化粧はもちろんのこと、全身ピカピカに磨いて整えますと、シャルルが拳を握りしめた。
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