しあわせ食堂の異世界ご飯５
「うん。終わったから、カミルに朝食用のパンを出してって伝えてもらってもいい？」
「はい！」

　元気よく返事をしたのは、アリアの侍女兼騎士のシャルルだ。
　蜂蜜色の髪を後ろで三つ編みにし、花のヘアアクセサリーをつけている。
　小柄だけれど、そのポテンシャルはとても高い。騎士としてアリアの護衛も行うため、数匹の狼であれば簡単に倒してしまう。
　今はアリアとともにしあわせ食堂で働いているが、侍女として情報収集をするために定期的に王城へも足を運んでいる。

　すぐにシャルルが厨房へ戻ったのを確認してから、アリアは面接に来てくれた三人を見る。
「募集の際にお伝えしていたと思いますが、朝早く来ていただいたので朝食はこちらで用意しています。ぜひ食べていってください」
「やった、しあわせ食堂の朝食！」
　レオンがぐっと拳を握って、嬉しさを隠すことなく前面へ押し出した。アリアとしても、ここまで素直に喜んでもらえるのは店の料理人として嬉しい。
「エマさん、私はカミルと一緒に準備してくるので、こっちをお願いしますね」
「ああ、わかったよ」

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表紙・目次

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