しあわせ食堂の異世界ご飯５

　ちょっと前までは騎士団に所属し、侍女の経験なんてまったくなかったシャルルだが……いつの間にかいろいろ技術を身につけて成長している。
「ふふ、頼もしいわね」
「それだけではいけません、アリア様」
「「――え？」」
　アリアとシャルルの会話に、デザイナーの厳しい声が割って入ってきた。突然のことで、アリアは目を瞬かせてデザイナーを見る。
　彼女は腰に手を当てて、完成したドレスのデザイン画を見せてくれた。
「わぁ……」
　背中の部分が大きく開いた、オープンバック・ドレス。
「アリア様には、夜会までに少し痩せていただく必要がございます」
　きっぱりと言い放ったデザイナーを見て、アリアは一瞬で顔を青くする。まさかダイエットをしろと言われるなんて、夢にも思っていなかった。
　自分で言うのはあれかもしれないけれど、スタイルの良し悪しは置いておといても、標準かそれより少し痩せていると思っていた。
「わ、わたくし……そんなに太っているかしら」
「体型的には、標準といったところでしょうか」