しあわせ食堂の異世界ご飯５

「母さんは食べて帰ってくるっていうから、俺とアリアとシャルルの三人だな」
「わかった。あとクウちゃんだね」
「っと、そうだった。クウの飯を忘れて嫌われたら大変だからな」
　慌ててクウのお皿を用意して、カミルもエプロンをつけた。
　今日の自分たちの夕飯の担当はアリアで、クウのご飯はカミルが作る。
　さて、腕をふるってダイエットメニューに取りかかろう。まず作るメニューは冷製うどんで、その具材には買ってきた野菜を使う。
　うどんはアリアの作り置きしているのがあるので、それを使う。
　鍋に水を入れて沸騰するのを待ちうどんを入れると、横からカミルが覗き込んできた。
「お、今日はうどんか！　でも、夏にうどんは暑くないか……？」
　好きだから文句があるわけじゃないけどと、カミルは悩んでいる。美味しいから食べたいが、暑いのもつらくて嫌なのだろう。
「だーいじょうぶ！　熱くないうどんを作るから」
「え？　でも、うどんって熱いスープの中に入れるもんじゃないのか……？」
　カミルの中ではうどんイコールスープという図式が成り立っているようで、頭をひねっている。