しあわせ食堂の異世界ご飯5
 アリアの料理の完成と同じタイミングで、カミルもクウのご飯の用意が終わった。
「裏庭にいるはずだから、シャルルとクウちゃんを呼んできて食べよう」
「ああ!」

 カミルがシャルルとクウを呼びに行くのを見てから、アリアは料理を店内のテーブルに並べていく。
 サラダうどんと、お茶と、デザートには果物も用意しておいた。
「ふふ、ちょっとした簡単なダイエット食だけど……これでドレスも着こなせるよね?」
 太ったからといってリントに見捨てられるとは考えられないが、いつも理想的な姿で隣にいたい乙女心もあるのだ。
 アリアのうどんは麺を少なめにして、その分野菜を多くしてある。
「よし、頑張ろうっと」
 配膳を終わらせると、タイミングよくカミルたちが戻ってきた。クウはカミルに抱かれていて、嬉しそうに尻尾を振っている。
「クウちゃんもご飯だよ~」
 カミルがクウを独り占めするのはずるいと、今度はアリアがクウを抱きしめる。毛がもふもふで、とても抱き心地がいい。
「ふかふかだね~」
『わうわうっ!』
 ぎゅっと抱きしめたが、クウはいやいやと首を振った。アリアの腕から抜け出して、早くご飯を食べたいようだ。
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