しあわせ食堂の異世界ご飯５
（やっぱり運動するなら、髪はちゃんと結ばないと邪魔になっちゃうよね）
　いつものようにまとめてしまうと、汗をかいたとき首に髪が張りついてしまって気持ち悪いだろう。
　準備が終わったら、カミルとエマを起こさないようそっと下に降りていく。
「体力ないけど、走り込み大丈夫かな……」
　走ることだけは決めたけれど、どれくらいの距離かというのは相談していない。
　無茶をしないようお願いするつもりだが、体力のありあまっているシャルルと一緒なので不安だ。

　しあわせ食堂の前に出ると、シャルルがクウに首輪と散歩ひもをつけているところだった。
「お待たせ、ふたりとも！　改めておはよう」
「おはようございます、アリア。目はバッチリ覚めたみたいですね」
『わんっ！』
「うん、おかげさまで」
　クウが嬉しそうに飛びついてきたので、それをしっかりキャッチして抱きしめる。朝からもふもふを堪能できて、とっても幸せです。
「それじゃあ、体操をしてから走りましょう。体はしっかりほぐしてくださいね」
「そうね」
　シャルルが騎士団で行っていたという準備体操を教えてもらい、寝起きで固まってしまっていた体をほぐしていく。
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