しあわせ食堂の異世界ご飯５
「んん～、伸びる……っ」
　大きく背伸びをして深呼吸し、足先までしっかり動かす。軽く前屈をしてみると、思いのほか自分の体が硬くなっていた。
（これは寝る前に柔軟運動を追加したほうがよさそう）
　運動に柔軟と大変だけれど、自分のために頑張るしかない。
　体操を終えたので、さっそくここからが本番だ。
「それじゃあ行きましょう！」
　シャルルの声とともに、走り出した。

　走る場所は、しあわせ食堂から徒歩十分、走って三分のところにあるジェーロ帝国学園の校庭だった。
　どうやら、校庭のトラックを走るみたいだ。
「ええと、勝手に入っていいの？」
　アリアが校庭を見ると、体操や運動をしている人や、学校の運動の時間に習ったことを復習している子供たちがいた。
「ここは授業が行われていない時間のみですが、街の人が自由に使っていいことになっているんですよ！　この前、しあわせ食堂の常連さんに聞いたんです」
「一般に開放してもらえるのは、いいわね」
　利用者もぱっと見た限り数十人いるようなので、評判もいいのだろう。シャルルが言うには、夕方だと子供たちが遊んでいることも多いらしい。
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