しあわせ食堂の異世界ご飯5
 焼けたパンとソーセージも一緒に盛りつけ、横にバターとジャムを添える。
「これでよし……っと!」

 本日のメニュー、『ふわとろスクランブルエッグ』の完成だ。

「パンもたくさん焼いたし、ばっちりだね」
「俺ももう腹ペコだ。早く行こうぜ、アリア」
 カミルは焼いたパンとソーセージをかかえ、アリアもスクランブルエッグを持って店内へと行く。
 すると、すぐに気づいたシャルルがぱっとこちらを見て鼻をふんふんさせた。
「うわあぁ、すっごく美味しそうです! 早く食べたい」
「ありがとう」
 今日は面接に来てくれた三人を入れて、総勢七人での朝食だ。四人掛けのテーブルをふたつくっつけて、料理を並べていく。
「さて、みんなでいただこうかね。三人とも、遠慮せずに食べていきなよ」
「ありがとうございます」
 エマに促され、全員が席に着くと朝食が始まった。

 しあわせ食堂に憧れ求人に応募してきたレオンは、朝食が出るというのを聞いただけで天にも昇るような気持ちだった。
 自分の前に並んでいるのは、しあわせ食堂では提供されていない料理だ。
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