しあわせ食堂の異世界ご飯5
 数日が経ち、求人募集に応募してきてくれた人たち全員との面接が終わった。その数は三十人と多く、誰を採用するか決める前から疲れてしまったほどだ。
 採用する人数は若干名としていたので、いい人がいれば少し多めに採用してもいいかと考えている。
「お疲れ様、アリアちゃん。今日は定休日だし、部屋で休んでたらどうだい?」
 店内のテーブルでぐったりしているアリアを気遣ってエマが声をかけてくれたけれど、首を振る。
「大丈夫です、あとは誰を採用するか決めるだけですし。終わったら、料理をしてリフレッシュします」
「料理でリフレッシュなんて、さすがはアリアちゃんだねぇ」
 エマが笑いながら、「それじゃあ」と面接した人たちの一覧が書かれている紙をテーブルの上に置いた。
「基本的には応募してくれた子から順番に採用……っていうのが普通だけど、アリアちゃんは気になった子や嫌だった子はいるかい?」
「そうですね……」
 エマの問いかけに、アリアは面接したときのことを思い返す。
 まず必要なのは、丁寧な言葉遣い。教養を身に着けるために子供が学園に通うのだから、そこで働く人間もある程度はしっかりしていてほしい。
< 22 / 181 >

この作品をシェア

pagetop