しあわせ食堂の異世界ご飯5
 それから、食事の仕方ががさつではないこと。テーブルマナーは大切なことなので、朝食を振る舞ったときに、その仕草を見ていたのだ。
 アリアはそれを思い返して、基準に満たなかった人に印をつけていく。
「……この人たち以外だったら、問題はないと思います」
「ああ、確かにちょっと仕草が雑だったね。わかったよ、この人たちを除いて……応募してくれた順で採用しようか」
「はい。それでいいと思います」
「決まりだね」
 エマはほかにこだわりがなかったようで、アリアが除外したリストで問題はないらしい。採用できる人は簡単に決まってしまった。
「あとは雇用する人数だね。結局、何人分の給食が必要かはわかったのかい?」
 エマの問いかけに、学園長から送られてきた資料を確認する。
「三十人のクラスが五クラスになったみたいです。応募も多くて、全員は入学できなかったみたいですよ。すごいですね」
「そりゃいいね、この国の未来も明るいじゃないかい」
 学園の入学式は夏の終わりごろを予定している。
 入学する生徒は全部で百五十人だが、来年になると二年生分のクラスができるため数が倍になるだろう。
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