しあわせ食堂の異世界ご飯５

「冷たっ！　でも、綺麗になりましたね。洗ってみたら、まっしろのふわふわじゃないですか」
　まるでアリアが以前作ったわたあめのようだと、シャルルは頬を緩める。
「くうちゃんかわいい～」
「もふもふだ」
『わふー！』
　ナタリーとララも見違えたクウに抱き着いて、その柔らかなもふもふを堪能した。

「可愛いな！」
「まあ、可愛いじゃないかい」
『わんっ』
　シャルルがララ、ナタリー、クウのふたりと一匹をしあわせ食堂に連れていくと、意外にもカミルとエマが真っ先に反応を示した。
　尻尾を振っているクウをカミルが抱き上げ、
「なにか芸はできるのか？　お手とか」
　カミルがさっそく無茶ぶりをしようとするが、エマが横から「なに言ってんだい！」とあきれた目で息子を見る。
「見たとこ、まだ生まれて数ヶ月だろう？　痩せてるし、芸なんてできるわけないよ」
「それもそうか……」
　生きていくだけで必死だったろうと、エマが憐れみの目をクウに向ける。
「ほら、私にも抱っこさせておくれ」
　カミルが抱いていたクウを奪い、エマはそのもふもふに頬をすりよせる。
「可愛いねぇ～」
『わぅ』