しあわせ食堂の異世界ご飯５
　時間のあるときはシャルルが鍛錬をしているくらいなので、子犬を一匹飼うくらいのスペースなら問題ないし、走って遊ぶこともできるだろう。
　大型犬には狭い場所かもしれないが、小型犬のクウにはちょうどよさそうだ。
「カミルお兄ちゃん、くうちゃんを飼ってくれるの!?」
　ナタリーが目をキラキラさせて、希望の光であるカミルを見つめる。
「お願い、カミルお兄ちゃん!!」
　このままでは捨ててこなければいけないとわかっているのだろう、必死だ。
「ほら、クウちゃんもお願いして！」
　ララもカミルたちを見つめて、お願いしますと頭を下げる。
『くうぅん』
　そして最後のひと押しと言わんばかりに、クウが鳴いてみせた。この可愛さにはエマもノックアウトされてしまい、「仕方ないねぇ」と頷いた。
　その言葉を聞き、ララとナタリーはぱっと顔を輝かせる。
「しょうがない、クウはうちの裏庭で飼うことにするよ」
「「やったぁ～！」」
　ララとナタリーは抱き合って喜び、カミルもクウを抱きしめて嬉しそうにしている。
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表紙・目次

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