しあわせ食堂の異世界ご飯５
　ひとまず全員がクウを飼うことに賛同したことに、ララとナタリーはほっとした。すると、またふたりのお腹が鳴ってしまった。
「あ……」
　恥ずかしそうにお腹を押さえて、顔を赤くする。子供とはいえ女の子なので、何度もお腹の音は聞かれたくないのだろう。
　アリアはそれなら昼食に招待しようと、声をかける。
「ララちゃんたち、お腹が空いてるの？　なら、今から『唐揚げ』を作ろうと思ってたから食べていって？」
「「からあげ？」」
「うん」
　耳に馴染みのない単語に、ララとナタリーはこてりと首を傾げてアリアを見る。
　けれど彼女が食べてと言ったのだから、きっととてつもなく美味しいのだろう。必死に頷いて、「食べる！」と大きな声で返事をした。
「わたしがアリアお姉さまと一緒に準備していたんです」
「リズちゃんが？　すごい！」
　だから来るのが遅くなってしまっていたのだと、リズがふたりに説明している。
　唐揚げの鶏肉を切りわけて、そこに調味料などをもみ込むところまでやっていた。手がべとべとになってしまったので、途中で抜けることができなかったのだ。
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表紙・目次

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