しあわせ食堂の異世界ご飯５
「オーケー、俺はやるぜ。二度揚げをして、この唐揚げをさらに美味くする……っ！」
　そう言って、カミルが再び熱した油の中に唐揚げを入れる。じゅわあぁっとまた美味しそうな音が響き、うっとりする。
「私はご飯をよそったりしちゃうから、よろしくね」
「ああ、任せてくれ」
　揚げの作業はカミルに任せて、アリアはご飯をよそったりスープを温めたり、飲み物の準備をする。カウンターに置くとシャルルとリズが運んでくれるので、あっという間に配膳は終わってしまった。

　できあがった二度揚げの唐揚げがテーブルの上に山盛りになったのを見て、わっと歓声が起こる。
「すごい、唐揚げがたくさん！　海老フライもあれば完璧だったのに……！」
　シャルルは自分の好物の海老フライも油で揚げることを知っているので、一緒に作ってくれたらよかったのにとしょんぼりしている。
　その様子が子犬のようで、ちょっと可愛い。
（明日は海老を買ってこよう……）
「さ、みんな食べて。たくさんあるから、ララちゃんたちも遠慮はいらないからね」
「「はーい！」」
　ララとナタリーが元気に返事をして、唐揚げにかぶりついた。
「んんん～～っ！」
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表紙・目次

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