しあわせ食堂の異世界ご飯5
「……でも、騎士になりたかったので、どんなにつらくても辞めるとはひと言も口にしなかったと思います。あの子たちも、そういうふうにぶれない芯を持ってくれたらいいなって思います」
「格好いい言葉だね、先輩。きっと、この学園の卒業者で騎士になる子も将来的には出てくるでしょうね」
 そのときに、シャルルのようにまっすぐ前を見据えられる子は強くたくましく育ってくれるだろう。
 サポートをするアリアたちも、自然と気合いが入るというものだ。
「この子たちが将来のジェーロを支えていくんだから、私たちもしっかり栄養のある給食を作らないとね」
「何事も体が資本ですからね!」
 シャルルもジェーロの未来のために頑張りますと、笑顔を見せる。
 学園長が台から下りるのを見送ると、次は職員の紹介だ。
「教師もたくさんいますね」
「今はまだ専門知識はそんなにいらないけど、今後は教師を探すのも大変になってきそうね」
 授業内容は基本の読み書きから数字の計算に始まり、体育のような鍛錬の授業も行われる予定だ。
 学年が上がるとさらに専門的な授業が加わり、書類作成の仕方や、国の歴史や地理などの専門的な内容も増える。
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