しあわせ食堂の異世界ご飯5
「今日は、求人募集を見て来てくれた最初の三人だね。わざわざ時間をとらせてすまないね。私は店主のエマ、こっちは……」
「料理を担当しています、アリアです。みなさん、今日は朝早くから来ていただいてありがとうございます」
 アリアたちが簡単に自己紹介をして、面接が始まった。

「それじゃあ、まずは簡単に自己紹介をしてもらおうかね」
「はい!」
「おやまあ、元気じゃないかい。それじゃあ、一番手でお願いしようかね」
 真っ先に手を挙げたのは、まだ十代半ばほどの男の子だった。少し長い赤毛の髪を後ろでちょんと結び、キラキラした目でアリアを見た。
 どうやらアリアのファンのようだ。
「俺はレオン、十五歳です! この前『コロッケ』を食べてしあわせ食堂の大ファンになりました! 料理はやったことがなかったから、母さんに教わって家で少しずつ始めました。下手くそだけど、やる気は誰よりもあるつもりです!!」
(わ、気合い入ってる!)
 レオンの挨拶を聞いて、エマは「いいねぇ!」と手を叩く。
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