しあわせ食堂の異世界ご飯５

「アリアちゃんの料理が好きで、自分でも作ってみるなんて……そう簡単にできることじゃないからね。今まで働いた経験はあるのかい？」
「はい！　今までは、貴族様の屋敷の庭師の助手をしていました」
「へぇ、お貴族様のかい！　しっかりした受け答えもしてるし、納得だね」
　それならば、言葉遣いなどもある程度しっかりしているし、学園へ貴族が視察などに来た際も質問などの対応が行えそうだなとアリアは思う。
（まあ、事前に連絡があれば私がいるようにはするけど……）
　自分勝手に振る舞う貴族もいるので、接したことのある人が従業員にいると少しだけ心強い。
　次に自己紹介をしたのは、ウェーブのかかったロングヘアーの女性だ。たれ目でおっとりとして、優しい印象を受ける。
「初めまして、フローラです。年は三十二歳で、十歳の息子が学園へ通うことになっています。料理は家で作っているので、最低限のことならできると思います」
「今までは家にいたのかい？」