我妻教育3
「ねぇー、キンポウゲの怖い噂知ってる?」
更衣室で社員たちの話し声が聞こえてきた。
「何、何?」
興味本位に他の社員が乗っかる。
「聞いたことあるんだけど、キンポウゲに睨まれた料理教室の話。
キンポウゲのレシピと似てたとかで。
そしたら、キンポウゲがわざと近くにクッキングスクール立ち上げて、その料理教室潰したんだって!」
「やだ!怖い!」
「そうなったら、うちなんてすぐに潰されちゃうじゃん!やだー」
他愛ない雑談で笑い合う社員たち。
あたしには笑えなかった。
居心地が悪くて、そそくさと職場をあとにして、夜はバイトに向かう。
大学時代バイトしていたフレンチレストランで今も週2程度雇ってもらっている。
絶望感に浸ってる暇はない。働かないと。
「…ねぇ、蓮下さん。
バイト、増やして貰っていいかなぁ?」
厨房で洗い物をしながら、オーナーシェフの蓮下(レンゲ)さんに冗談っぽくお願いしてみる。
料理教室辞めて次が見つからなかったら、生活費はすぐに底をつく。
「こっちとしては、毎日入ってくれていいぞ~」
深く聞かずに受け入れてくれる、蓮下さんのそういう兄貴分なところ大好きだ(変な意味ではなく)。
ディナータイムもピークを過ぎたころ、お馴染みの顔(お客様)が現れた。
「み~れい♪来てやったぞ!」
松園寺 優留(スグル)ちゃん。21歳。
啓志郎くんのイトコだ。
更衣室で社員たちの話し声が聞こえてきた。
「何、何?」
興味本位に他の社員が乗っかる。
「聞いたことあるんだけど、キンポウゲに睨まれた料理教室の話。
キンポウゲのレシピと似てたとかで。
そしたら、キンポウゲがわざと近くにクッキングスクール立ち上げて、その料理教室潰したんだって!」
「やだ!怖い!」
「そうなったら、うちなんてすぐに潰されちゃうじゃん!やだー」
他愛ない雑談で笑い合う社員たち。
あたしには笑えなかった。
居心地が悪くて、そそくさと職場をあとにして、夜はバイトに向かう。
大学時代バイトしていたフレンチレストランで今も週2程度雇ってもらっている。
絶望感に浸ってる暇はない。働かないと。
「…ねぇ、蓮下さん。
バイト、増やして貰っていいかなぁ?」
厨房で洗い物をしながら、オーナーシェフの蓮下(レンゲ)さんに冗談っぽくお願いしてみる。
料理教室辞めて次が見つからなかったら、生活費はすぐに底をつく。
「こっちとしては、毎日入ってくれていいぞ~」
深く聞かずに受け入れてくれる、蓮下さんのそういう兄貴分なところ大好きだ(変な意味ではなく)。
ディナータイムもピークを過ぎたころ、お馴染みの顔(お客様)が現れた。
「み~れい♪来てやったぞ!」
松園寺 優留(スグル)ちゃん。21歳。
啓志郎くんのイトコだ。