我妻教育3
優留ちゃんは、ツカツカとスレンダーな長い脚で、テーブル拭いてるあたしに歩み寄り、
「よ!元気か」
エプロン姿のあたしをお構いなしに、ぐっと強くハグをしてきた。

「は~、乳柔らか~、癒される~」

「優留ちゃん!いらっしゃい!エプロンで汚れるよ」

「二の腕も柔らか~」と、嬉しそうにあたしの二の腕をギューっとつかむ。

「え!ウソ、また太ったあたし?!(汗)」

「そこが良いんだから、痩せるなよ」

――いや、痩せたい(泣)

優留ちゃんは、前にこのフレンチレストラン紹介したら気に入ってくれたみたい。

アメリカの大学(もちろん世界最高峰の大学)に行いながら、日本で起業したりと多忙な優留ちゃんは、日本とアメリカを行ったり来たりの生活。

フットワーク軽く、時間を作ってはご飯に誘ってくれたり、こうしてバイトする店にも来てくれる。

あたしのことをずっと「お嬢ちゃん」って呼んでたのに、いつのまにか「未礼」って呼んでくれるようになった。

啓志郎くんのライバルの優留ちゃんと親しくして、啓志郎くんが知ってたら嫌な気するかな?
でもあたしは嬉しかった。

「未礼、今夜は友だち連れてきたんだ。
友だちってもイトコだけどな。
未礼会うの初めてだったよな?」
優留ちゃんは半歩後ろにいる女性に目を向けた。

うわぁ、美人!!
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