我妻教育3
深紅のワンピースが上品で、すら~っとして、長い黒髪がサラサラ。
シャープなフェイスラインに切れ長の瞳が凛とした和風美人。

優留ちゃんと二人そろって只者ではないオーラが半端ない。

「新香(ニイカ)っていうんだ。啓志郎の姉だ」

「啓志郎くんの?!」
啓志郎くんのお姉さん!噂には聞いてたけど初めて会った!!

「はじめまして。松園寺 新香と申します。
優留からお話は聞いております。
啓志郎がお世話になっております」

小鳥のさえずるような美声ってこういう声だと思うような声。
すっと伸びた背筋。美しすぎるお辞儀。

高貴な百合の花のようだって、ジャンくん(啓志郎くんの親友)が言ってた通りだ!

確か新香さんは今22歳で、オーストリアの大学に留学していて、確かバイオリニスト。

「い、いえいえ、お世話なんてあたしなんて何も!
こちらこそお世話になっています。
あ、はじめまして垣津端 未礼です」

「未礼うろたえすぎ」
カウンターから蓮下さんが笑いながら出てきた。

うろたえるくらい美人なんだって!
ノースリーブからのぞく二の腕なんて、あたしの半分くらいの細さだし(笑)

優留ちゃんが蓮下さんに手を上げて挨拶した。
「蓮下さんのロッシーニ定期的に食べなきゃもう我慢できなくってさ。
こんな体にした責任取ってくれよな蓮下さん!」

「ええ、よろこんで。どうぞ」と蓮下さんが、優留ちゃんに椅子を引く。
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