我妻教育３
メインの牛フィレ肉とフォアグラのロッシーニが出来上がる気配を感じてあたしは立ち上がる。

「赤ワインよろしく」と言う優留ちゃんに、「よかったらコレ飲んでみない？」と一本の瓶を差し出した。

「？白ワイン、、、いや、それって」

「日本酒ですか？」先に新香さんが気づいた。

「そう、日本酒です」あたしはにっこり笑う。

「ロッシーニに日本酒？」優留ちゃんは眉をひそめた。

「フランス料理と日本酒って合うんだよ～」

酒蔵に勤め出した義父が送ってくれる影響で興味を持つようになった日本酒。
少しだけどここのレストランにも置いてもらってるオススメの大吟醸。

「日本酒も、ワインと同じように色んな味わいのものがあって、お肉に合うものもあるの」

「ふぅ～ん。未礼が言うなら間違いないだろ、早く入れて」
優留ちゃんは待ちきれないとばかりに身を乗り出す。

「はい♪」

ワイングラスに注ぐと、「良い香り～」二人の顔が華やいだ。

先に飲んだ優留ちゃんの顔がパッと明るくなった。
「米なのに、フルーティーだな。うん、美味い！」

「柔らかい甘い香りがいいでしょう？
やや辛口で喉ごしはキレが良くて飲みやすい日本酒なの。
ロッシーニに合うと思うよ」

「これ、ヤバい！合う～！」

「美味しいです」

早速、日本酒と共にロッシーニを食べた二人は破顔して喜んだ。
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