我妻教育3
その男性は30代かな?
大人で、背が高くて、短髪、軽く日焼けしたシャープな目元の男前。
スポーツでもしてるのかな?スーツの着こなしを見るに、程よく鍛えられてそうな体格。

男性もあたしに見覚えがあるようで、あたしの顔を見てニコリと微笑んだ。

会ったことある。この人は確か…

「未礼やるじゃん!」「いいなぁ~、次は未礼かぁ~」

ブーケをゲットしたあたしのまわりに、友だちが集まってきた。
やむなく、その男性には会釈してそのまま離れる。


挙式のあとは、1.5次会(披露宴と二次会の中間形式のパーティー)。
立食形式のパーティーが催された。

「どうも」
さっき助けてくれた男性が、グラスを差し出してきて、乾杯した。

「お久しぶりです。確か、垣津端さんでしたね」

男性は、あたしの名を呼んだ。
びっくり。名前、知っててくれてるんだ。

見覚えあったのは、勘違いじゃなかった。
あたしはこの男の人を知っている。
何年か前に会ったことがあった。

「はい、垣津端未礼です。
お久しぶりです、亀集院(キッシュウイン)さん」

えーと、亀集院 誰さんだっけ…。
亀集院家の三男だってことは覚えてるんだけど。。。

「はい。亀集院 翔太です。
まさか、こんなところで会うなんて、世間は狭いんだね」

そう、翔太!
名刺を貰う。おおー、CEO。
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