我妻教育3
「うん知ってる。それが何?」
いともサラッと即答。

何?って、あたしはもうお嬢様でもなんでもない…んだけど…
いいの?

意に介さすスケジュールを確認してる。

「未礼ちゃんの気が変わらないうちに、早い方がいいかな。
明後日空いてる?火曜の夜」

早速、早…!

「はい、大丈夫です」
勢いに押されて了承してしまった。

そして連絡先の交換が終わったら、すぐに車は発車した。
さすが高級車。乗り心地最高。

「ああ、それから」と、亀集院さんは運転しながら言った。
「キッシュウインって、呼び辛いでしょ。翔太でいいよ」

「えっと、じゃあ、翔太さん」
下の名前はちょっと照れるなぁ~。
遠慮がちに言ったら、亀集院さんは返事の代わりに微笑んだ。

「じゃ、火曜迎えに行くから。職場まで行くよ」

火曜は有休取ってる日だ。
「えっと、あ、駅でもいいですか?
職場の人に見られたら恥ずかしいので…」

「了解。食べたいもの、リクエストある?」

「えっと、…」そんな急に言われても…

「苦手なものとかある?」

「ないです」

「任せて貰っていい?」

「はい」

「でも食べたいもの思いついたら連絡して」

「はい」

「じゃあ、楽しみにしてるよ」

「はい。送っていただきありがとうございました」

家のすぐ近くの通りまで送ってもらって、車から降りた。


あっという間に決まってしまったなぁ。
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