我妻教育3
奥さんはあたしをまじまじ見つめて、ツヤツヤした頬でニコニコ笑った。

「未礼ちゃん。お葬式でも思ったけど、べっぴんさんねぇ。なんて可愛らしい。
私と血の繋がりがあるとは思えないくらい」

「いいえ、そんな。
山指さんのお肌ツヤツヤですね。酒蔵の方って、お肌キレイって言いますけど、本当なんですね」

「あらやだ、そお?うふふ、うれしい。酒粕食べてるからね!」

「酒粕って美容に良いですもんね。普段どのように調理されているんですか?
体に良いって分かっているんですけど、なかなか普段の料理に使うことなくて」

事前に、義父から、山指さんの奥さんは料理上手だって聞いていた。

「甘酒や粕汁だけじゃなくて、何にでも使えるのよ。
味噌と合わせて粕味噌床を作って魚やお肉を漬けてから焼いたら、コクと旨味がたっぷりで、お肉も柔らかくて香りもよくて最高だよ~。
酒粕とクリームのディップは定番だけど、スイーツにもパンケーキやパウンドケーキやクラッカーの生地に使ったりね。
乳製品の代わりに使ってホワイトソースでシチューやグラタンも作るし、カルボナーラも出来るわよ」

「わぁ!カルボナーラできるんですか!」

「酒粕カルボナーラ、勇くんの好物なのよ。
じゃあ、今日のお昼ご飯はカルボナーラにしましょうか」

「あたしも手伝っていいですか?作り方見たいです!」
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