我妻教育3
夜も更け、息子さんたち家族はすぐ隣の自宅に帰って行った。
お孫ちゃんたちは、かなり名残惜しそうにしていたけど。

お風呂も頂き、後片付けを終える。


「お布団敷いてくるわね。
未礼ちゃんと啓志郎くん、お部屋はどうする?
一緒がいいかしら?」
山指さんの奥さんが、冗談っぽく聞いてきた。

「手伝います。あたしは別に一緒の部屋でも大丈夫ですよ~」
何かあるわけでもないし。
二部屋用意してもらうのもお手間だろうし。

日本酒飲んで良い感じにまわってるし、陽気に笑う。

素面の啓志郎くんは、真面目な顔で答えた。
「部屋を分けて下さい。まだ結婚しておりませんので、床を共にはできません」

「さすが。真面目だなぁ~」
あたしはまたケラケラ笑った。


ふすまで仕切られた隣の部屋同士に布団を敷いてもらった。

電気を消して、敷いてもらった布団に潜り込む。

ふすま越しに声をかける。
「啓志郎く~ん!いる??」

「ああ。どうした?」

「呼んだだけ~」

「未礼は酒を飲んだら陽気になるのだな」

「へへへ。早く啓志郎くんもお酒一緒に飲めるといいのにねぇ~。楽しいよぉ~」

「ああ、そうだな」

「今日は来てくれてありがとうね。楽しかった」

「ああ。来て良かった。光寿殿の親族はとても良い方たちだ」
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