我妻教育3
義父は、あたしを見つけて大きく手を振った。
「おはよう、よく眠れたか?」

「おはよう。うん、よく寝た」

あたしも一緒に散乱したゴミの掃除をした。
日射しが照りつける中、汗を拭いながら、お世話になった気持ちを込めて。

幸いにも台風による被害はなかったよう。
電車も通常通り運行するとのこと。

一通り片付き、義父と共にゴミ袋をゴミ置き場に持っていく。
町内の人たちと挨拶をしながら山指さんの家に戻る。

「町内の人とも上手くやってるだね~」

「ああ、もちろん。町内会にも参加して、書記を担当してるよ」

「えー!それはすごいね」

「そうだ未礼。町内会で町の活性化の話が出てて。
ちょうど山指さんの所に使ってない酒蔵があるから、そこを改装して飲食店でも作らないかって話が出てるんだ」

「へぇ~、面白そう!!
酒蔵をリノベーションなんて、すっごい素敵!」

「酒粕や麹を使ったメニューが出せて、日本酒飲んでもらえたら良いなって、山指さんとも話してて。
まだ雑談程度の話なんだけどね」

「いいね~♪
メニューは、ランチだったら定食がいいよね。
ご飯と、粕汁と、粕漬け焼いたの魚かお肉かどっちか選べて。
この辺の野菜使って、前菜ビュッフェにしたり。
食後は、コーヒーと酒粕ケーキとか。
あ、甘酒ミルクティーとかどう??美味しく作れそうな気がする!
絶対有りだと思う!」
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