我妻教育3
会長夫人は薄く笑った。

「それはそうと、貴女ご自身今は何を?
もう大学は卒業なさっているわよね?
平日の昼間ですけれど、本日は?」

「はい。大学は卒業しまして、今は仕事しています」

「まあ。どちらで?」

「炊鮮(スイセン)クッキングスクールという料理教室で、働いています。
シフト制ですので、本日は休日なんです」


現在のあたしはというと、年明けから、料理教室の運営に携わる契約社員として働いている。

仕事内容は、料理教室の受付や運営サポート業務(食材準備・教室進行補助・調理補助など)。

また、料理教室に勤務する傍ら、タウン情報誌(月2回刊行)の料理コーナーで創作レシピの連載をしている。

年末に自ら売り込んだ≪一皿飯≫。丼物のレシピだ。
大手出版社の雑誌に持ち込んだ企画だったけど、子会社のタウン誌で掲載してもらえることになった。

≪一皿飯≫の掲載に伴い、有り難いことにブログのアクセスも増えてきている。


笑みをたたえたまま会長夫人は首をひねった。

「お料理教室といえば、キンポウゲクッキングなら存じてますけど」

「全国展開されてるような大きなスクールではありませんので…」

キンポウゲクッキングスタジオとは、食品最大手のキンポウゲ食品運営で、全国展開してる展開数日本一のスクール。
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