我妻教育3
*.*.*.8.水曜日
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頭痛い。鎮痛剤と胃薬を飲んで、朝から台所に立つ。

今日の午後の便で、啓志郎くんがニューヨークへ戻る。

昨夜の顛末は、何とも情けない結末だった。

飲み過ぎてたのか、気分が悪くなって、亀集院さんが呼んでくれたハイヤーに啓志郎くんと二人で乗せてもらって、家まで送ってもらった。

…ああああ!!恥ずかしい!!
穴があったら…ってまさにこの事だ。

連日の飲酒、二日酔いに大いに反省。
お酒、控えよう…。

酔った勢いで、流されようとするし、もう恥ずかしい!亀集院さんだって、面白がってたじゃん。

もう大人なのに、情けない。
大人として、しっかりしなくちゃ。冷静になって、しっかりしなくちゃ!!

準備が整い、アパートを出る。

空港で啓志郎くんと待ち合わせをしている。
啓志郎くんを見送るために。

まずは駅に向かう道すがら、歩きながら、マイラ姫のマネージャーに電話をかけた。
昨日貰っていた名刺を見て。

啓志郎くんと今後一切会わなければ、キンポウゲ食品があたしの仕事をバックアップしてくれる。
断れば、タウン誌の連載から下ろされる。

気が変わらないうちに、早く返事をしておきたい。

すぐにマネージャーは電話に出た。
『良いお返事をいただけるんですよね?
さっそく、契約を致しま…』

「いいえ」
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