アラサーですが異世界で婚活はじめます
昨夜の舞踏会で会ったドパルデュー家の子息のことは、もちろん美鈴も覚えている。
リオネルとのダンスが終わった後、ダンスを申し込まれて踊った内の一人。
天使のように滑らかで白くふっくらとした頬、全体的に丸みを帯びたシルエットの彼のリードは少々心もとないものではあったけれど、丸くぱっちりとした瞳が印象的な好人物だった。
「私としては、もちろん君の気持ちを一番に考えている……彼に会う気があれば、ぜひそうすればよいし、もし、嫌なら……」
歯切れの悪い調子で続ける子爵の話を聞きながら、美鈴はさきほどジャネットが教えてくれたドパルデュー家との関係を思い出していた。
『ルクリュ子爵様が仕える伯爵家と親戚関係にあたる立派な家柄』
それを聞いた時から、美鈴の心はすでに決まっていた。
「子爵……お義父さま」
美鈴がルクリュ子爵に呼びかけると、子爵は決意したように視線を上げた。
その子爵の視線を、美鈴は柔らかな笑顔で受け止める。
「わたし、フィリップ様に会います」
「そ……そうか、よかった! フィリップ様は立派なお方だ。これで私も安心だ」
「まあ、ミレイも乗り気でよかったこと。……ところで、フィリップ様にお会いするなら、訪問着を新調してはどうかしら」
リオネルとのダンスが終わった後、ダンスを申し込まれて踊った内の一人。
天使のように滑らかで白くふっくらとした頬、全体的に丸みを帯びたシルエットの彼のリードは少々心もとないものではあったけれど、丸くぱっちりとした瞳が印象的な好人物だった。
「私としては、もちろん君の気持ちを一番に考えている……彼に会う気があれば、ぜひそうすればよいし、もし、嫌なら……」
歯切れの悪い調子で続ける子爵の話を聞きながら、美鈴はさきほどジャネットが教えてくれたドパルデュー家との関係を思い出していた。
『ルクリュ子爵様が仕える伯爵家と親戚関係にあたる立派な家柄』
それを聞いた時から、美鈴の心はすでに決まっていた。
「子爵……お義父さま」
美鈴がルクリュ子爵に呼びかけると、子爵は決意したように視線を上げた。
その子爵の視線を、美鈴は柔らかな笑顔で受け止める。
「わたし、フィリップ様に会います」
「そ……そうか、よかった! フィリップ様は立派なお方だ。これで私も安心だ」
「まあ、ミレイも乗り気でよかったこと。……ところで、フィリップ様にお会いするなら、訪問着を新調してはどうかしら」