アラサーですが異世界で婚活はじめます
「……普段は自信タップリのあのリオネルがねぇ、……あんなに慌てて……まるで鬼のような形相で貴女を探していてよ」
「リオネルが……? そんな……!」
アリアンヌの言葉に美鈴の心臓がドクンと跳ね上がる。
……リオネル……ごめんなさい……!
心の中で叫びながら、美鈴は俯き、ほとんど無意識に早鐘のように打つ胸にそっと手を当てた。
-
「アリアンヌ嬢」
美鈴のただならぬ様子を察したフェリクスが、アリアンヌに呼びかけ彼女の視線を捉えた。
「そういう事情ならば、私は急ぎ、ミレイ嬢を彼の元へお送りしなければなりません……これにて、失礼いたします」
そう言って公爵令嬢に頭を下げるフェリクスに、アリアンヌは先ほどと変わらぬ花のような笑顔のまま、それでいて彼の瞳をじっと見据えながら答えた。
「そうね。……貴方とは、3日後の舞踏会でまた、お会いできることですし」
「……では、また後日」
そう言い残して、フェリクスは馬首を巡らせると、さきほどアリアンヌが指し示した方角……美鈴とリオネルが下りた馬車道とはちょうど真反対にあたる通りに向けて馬を走らせた。
森を斜めに走るその馬車道を進むこと数分、人気のない並木道に見覚えのある馬車と、そのすぐ傍に佇むダークグレーのテールコートを着た背の高い男の姿が見えてきた。
「リオネルーーッ!!」
自分でも驚くほど大きな声で、美鈴は馬車の上からリオネルに向かって声の限りに叫んだ。
「リオネルが……? そんな……!」
アリアンヌの言葉に美鈴の心臓がドクンと跳ね上がる。
……リオネル……ごめんなさい……!
心の中で叫びながら、美鈴は俯き、ほとんど無意識に早鐘のように打つ胸にそっと手を当てた。
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「アリアンヌ嬢」
美鈴のただならぬ様子を察したフェリクスが、アリアンヌに呼びかけ彼女の視線を捉えた。
「そういう事情ならば、私は急ぎ、ミレイ嬢を彼の元へお送りしなければなりません……これにて、失礼いたします」
そう言って公爵令嬢に頭を下げるフェリクスに、アリアンヌは先ほどと変わらぬ花のような笑顔のまま、それでいて彼の瞳をじっと見据えながら答えた。
「そうね。……貴方とは、3日後の舞踏会でまた、お会いできることですし」
「……では、また後日」
そう言い残して、フェリクスは馬首を巡らせると、さきほどアリアンヌが指し示した方角……美鈴とリオネルが下りた馬車道とはちょうど真反対にあたる通りに向けて馬を走らせた。
森を斜めに走るその馬車道を進むこと数分、人気のない並木道に見覚えのある馬車と、そのすぐ傍に佇むダークグレーのテールコートを着た背の高い男の姿が見えてきた。
「リオネルーーッ!!」
自分でも驚くほど大きな声で、美鈴は馬車の上からリオネルに向かって声の限りに叫んだ。