アラサーですが異世界で婚活はじめます
「おやおや!ようやく眠り姫がお目覚めになったようだな……」
軽口をたたきながら、リオネルがズカズカと部屋に入ってくる。
ベッドに半身を起こしている美鈴の真横までやってくると、彼はゆっくりと優雅な所作で片膝をついた。
差し出された手には美しいカットが施されたグラス。中には少量の琥珀色の液体……アルコールのようだった。
「お姫様は大変お疲れのようだ。ちょっとした「気付け薬」をお持ちしたのだが……」
リオネルはゆっくりと、美鈴の固く握りしめた手をほどいて、グラスを握らせた。
「さ、ゆっくりと…。召し上がれ」
頭が混乱してうまく働かない。
言われるままに、美鈴は渡されたその酒を一気に飲み干してしまった。
じわじわと度数の高いアルコールの熱さが喉を伝っていく感覚。
気付けどころか、強烈な酩酊感と眠気に襲われて、美鈴は再びベッドに倒れこんでしまった。
「まあ、なんてこと……!」
「リオネル、おふざけが過ぎるぞ!」
ルクリュ氏と夫人に責められ、リオネルはさすがに「ちょっと困った」というような表情を浮かべて黒髪の巻き毛頭を撫でながらつぶやいた。
「うーん。このお姫様はだいぶ酒に弱そうだな……」
軽口をたたきながら、リオネルがズカズカと部屋に入ってくる。
ベッドに半身を起こしている美鈴の真横までやってくると、彼はゆっくりと優雅な所作で片膝をついた。
差し出された手には美しいカットが施されたグラス。中には少量の琥珀色の液体……アルコールのようだった。
「お姫様は大変お疲れのようだ。ちょっとした「気付け薬」をお持ちしたのだが……」
リオネルはゆっくりと、美鈴の固く握りしめた手をほどいて、グラスを握らせた。
「さ、ゆっくりと…。召し上がれ」
頭が混乱してうまく働かない。
言われるままに、美鈴は渡されたその酒を一気に飲み干してしまった。
じわじわと度数の高いアルコールの熱さが喉を伝っていく感覚。
気付けどころか、強烈な酩酊感と眠気に襲われて、美鈴は再びベッドに倒れこんでしまった。
「まあ、なんてこと……!」
「リオネル、おふざけが過ぎるぞ!」
ルクリュ氏と夫人に責められ、リオネルはさすがに「ちょっと困った」というような表情を浮かべて黒髪の巻き毛頭を撫でながらつぶやいた。
「うーん。このお姫様はだいぶ酒に弱そうだな……」