私が朝 泣いた理由

電車

「おまたせー」



そう言うと彼は時計を見た。



「やっべー!電車乗り遅れるぞ!!」


「え?急がなきゃ!」



私たちは都心から少し離れたとこに住んでいる。一本でも乗り過ごしたら大変!



「遅い方が電車賃おごりな!」


「えーズルイぃ、もぅ走ってるじゃん!」



元陸上部には勝てる訳ない。



私たちは笑いながら駅まで走った。



「あ、500めっけ!」



彼はゴール寸前でその500円を拾った。



私はその間にゴールした。



「やったぁぁ!私の勝ちぃ」



「この500円使っていい?」


「ズル~イ。せっかく勝ったのに…」


「あはは」



そう笑うと彼は財布から千円札を取り出して2人分を買ってくれた。
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