私が朝 泣いた理由
私たちは閉店間際のたこ焼き屋さんに来た。



「よぉ!優香ちゃん!来てくれたんだ~」


「だって約束してたもん♪」



そう言うと男の人は優香の頭にぽんっと手を置いた。



そういや狙ってる人がいるっていってたなぁ



この人のことかな?



「こっちの子は友達?」

「うん。この子カオル。1年のときから一緒なの」


「ど、どうも」



人見知りな私は笑顔もなくペコっとお辞儀した。


「俺、三浦慶斗、よろしく。」



先輩はニコッと笑顔を見せた。



「閉店だし、もうこんだけしかないからサービスな!」



先輩はパックいっぱいにたこ焼きをくれた。



「サービスっつても5割引な」



屋台の中に居たもう一人の人がおどけて言った。


「輝~可愛い後輩にそんなケチいうなよ~」


「そうですよ先輩!私たちが来てなかったら売れ残ったでしょ?」



「それもそうだな」



みんな笑った。






気付くともう辺りはほとんど人が居なくて



何だか寂しく見えた。
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