執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~
はじめての恋人
六年前に雅文と私は出会い、一緒に仕事をするうちに自然と惹かれ気づけば彼を好きになっていた。
思いが通じ合ったのは出会いから二年後。
不器用で臆病な私らしく、ぎこちなくてでも幸せな恋の始まりだった。
***
会社の廊下を歩いていると、アシスタントの大山さんが大きな段ボールを前に腕を組んでいるのに気が付いた。
あの荷物、ひとりで運ぶつもりかな?と思い近づいて声をかける。
「重そうだね。手伝おうか?」
私の言葉に大山さんがこちらをふりむいた。
「あ、広瀬さん。ありがとうございます。でもこれ相当重いんですよ」
「大丈夫だよ。私力持ちだから」
「そんなに華奢なのに?」
疑うように首をかしげた大山さんに、腕まくりをしてちからこぶを作ってみせる。