執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~
「なにが大丈夫だよ。無理すんな」
「あ、瀧内くん……!」
私が抱えるだけで精いっぱいだった段ボールを、軽々と抱えて笑う。
そのたくましさに胸がきゅんと跳びはねた。
入社当時からいい男だと思っていたけれど、彼に恋をしてからはさらに魅力的に見えるようになってしまった。
あー、もう。こんなにスマートにあらわれてさっと手をかしてくれるなんて。
ずるいくらいかっこいい。
「大山さん、これどこに運べばいい?」
「あ、えっと。とりあえず資料室に」
大山さんは答えたあと、ちらりと私を振り返る。
「そうだ。私ちょっと忙しいので、広瀬さんと瀧内さんにまかせてもいいですか?」
思い付いたように言った大山さんが、雅文に向かって親指を立て意味ありげなアイコンタクトをした。それに気づいた雅文は苦笑をうかべる。
「了解。広瀬、ついてきてドア開けて」
雅文はそう言うとさっさと歩き出す。
大山さんのなにかを応援するような視線に、私は首をかしげながら雅文のあとをおいかけた。