執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~
「雅文……」
心の中で何度も繰り返してきたその名前を三年ぶりに声に出して呼ぶと、それだけで私の心臓はきゅんと締め付けられた。
自分を捨てた男の名前を口にするだけで苦しくなるなんて、悔しくて泣きたくなる。
「まどか」
そんな複雑な気持ちでいる私に向かって雅文は甘く笑いかけ、ベッドに横たわる私の足元に腰を下ろした。
男らしい長い指が、私の足首にふれた。その指をぼんやりと目で追っていると、雅文はベッドの上に投げ出された私の足からパンプスを抜き取る。
「まどかは変わったな。俺と付き合っていたときは、こんなヒールのあるパンプスを履いていなかった」
雅文は、大きな手の中にある私の華奢で大人っぽいデザインのパンプスを見下ろしながらそう言った。
その言葉に私への独占欲がにじんでいるような気がして、慌てて目をそらす。