執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~
結婚の覚悟
ぼんやりと目を開くと、私は広いベッドに寝ていた。
この景色には見覚えがある。雅文の部屋だ。
三年前、彼と付き合っていたときは何度もここにお泊りをして、このベッドで眠った。
幸せな記憶がありすぎる、懐かしい部屋。
雅文はアメリカに三年間赴任していたけれど、またここに住んでいるんだ。
持ち家だって言っていたもんな……。
なんて思いながら寝返りをうつと、隣には雅文の整った寝顔があった。
思わず驚いて跳び上がりそうになり、慌てて息をひそめる。
さいわい雅文はぐっすり寝ているようで、規則的な寝息をたてていた。
ほっと胸をなでおろしてから自分の体を見下ろす。服を着ていないことを確認してうなだれる。
昨夜は歓迎会を抜け出した私を追ってきた雅文にキスをされ、そのままここへ連れてこられた。そして雅文に抱かれてしまった……。
なんでこんなふうにまた流されてしまったんだ。後悔が押し寄せてきて頭をかかえる。