執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~
「ごめん。怒ってる……?」
謝りながらおそるおそる雅文の表情を伺うと、掴んだ腕をひっぱられた。
気が付けば、雅文の胸の中にいた。
雅文は私を抱きしめながら、大きく息を吐き出す。
「……めちゃくちゃほっとしてる」
ふりしぼるようにそう言って、私の体をきつく抱きしめた。
「まどかが、ほかの男のものじゃなくてよかった」
心底安心したようにつぶやかれ、鼓動が勝手に速くなる。
「べ、別に雅文のことを忘れられなくて恋人をつくらなかったわけじゃないから……!」
悪あがきのように言い張ると、雅文はくすくすと肩を揺らして笑った。
「わかってるよ。それでもまどかに恋人がいないって知って遠慮する必要はなくなった。これからまどかの気持ちを取り戻せるように全力で口説くから、覚悟しておいて」
そう宣言され、心の中で悲鳴をあげる。