執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~


 必死に訴えて、それでも信じてもらえなかったら……?

 そんなことを考えてしまう臆病な自分がイヤになってため息をつくと、隣にいた店長がぽんぽんと私の肩をたたいた。

「まぁ、ため息をつきたくなる気持ちもわかるけどな」
「内藤店長……。私がここに来た事情を知ってるんですか?」

 私がたずねると店長は「俺は情報通だから」と自慢げに親指を立てる。

 たしか、雅文が日本に帰ってきたときもすぐに知っていたっけ。いったい誰から聞いてるんだかと思いながら苦笑した。

「この状況も誰かから疑われるのもしんどいとは思うけど、今はとりあえずがんばれ。広瀬のことを信じてるやつはたくさんいるから。耐えれば必ず状況はよくなる」

 力強くそう言われ、顔を上げる。

「私を信じてくれている人、いるんですかね」
「いるだろたくさん。とくに、過保護なくらいお前を気にかけて信じてるやつが」
「え……?」

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