執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~
内藤店長はたしか四十歳で、青山さんは二十代半ばのはずだ。
ちょっと年齢差はあるけれど、不自然な組み合わせではない。
だけど、だけど、いったいいつの間に。
「ふたりが付き合っていたなんて、知らなかったですよ……!」
取り乱す私に、内藤店長が照れくさそうに大きな手で頭をかいた。
「籍を入れただけで、式はまだ先なんだけどな。俺たちがこういうふうに結婚できたのも広瀬のおかげだから感謝してる」
そう言われ、胸があたたかくなった。
「うわぁ、おめでとうございます!」
「式にはぜひ来てくださいね」と微笑む青山さんは、本当に幸せそうに見えた。
私は感激で泣きそうになりながら、「絶対行きます……!」と何度もうなずく。
「俺らだけ幸せになったらバチがあたりそうだから、広瀬もちゃんと幸せになってくれよ」
店長に力いっぱい肩をたたかれ、思わず苦笑した。
臆病で不器用な私が幸せになんてなれるんだろうか。
そう思っていると、後ろから舌打ちが聞こえた。