執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~
ぼんやりと目を開けると、こちらをじっと見つめる整った顔が見えた。
私が目を覚ましたことに気付き、ふわりと微笑む。
「おはよう」
甘い声でそうささやかれ、私も返事をしようとしたけれどうまく声が出ないことに気付いた。
「……っ」
「どうした?」
のどを押えた私を見て不思議そうに首をかしげた雅文は、「もしかして、のどが痛い?」とたずねてくる。
私が無言で首を縦に振ると、雅文は申し訳なさそうな表情になる。
「ごめん、昨日あえがせすぎた」
そう言われ、一気に頭に血がのぼった。
私ののどが痛い原因は商業施設の中に入っているお店の空気が乾燥していたのもあるけれど、一番は昨日雅文にとことん愛されたせいだ。