執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~

「はちみつ。のどにいいかなと思って」

 なるほどとうなずいて、素直に口を開く。
 甘いはちみつがのったスプーンを咥えると、舌がやけるほどの甘い蜜が口いっぱいに広がった。

「どう?」

 首をかしげて私の顔を覗き込む雅文に、『すごくあまい』と声に出さず唇の動きだけで伝える。

「そんなに甘い?」

 問いかけにこくこくとうなずく私を、雅文はいとおしそうに見つめていた。
 私の頭をなでながら「昨日、無理させてごめんな」とささやく。

『謝らなくてもいいよ。私もうれしかったから』

 私がそう伝えようと口をパクパクさせると、雅文は綺麗な顔をくずしてくしゃっと笑った。

「口の動きだけじゃ、何言ってるかわからない」
『だから、うれしかったって』
「ん?」
『うれしかったよって、言ってるの』
「なに? もう一回抱いてほしい?」
『ちーがーうー!』

 いたずらっぽく笑った雅文に、私はあわてて否定する。

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