執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~


「昨日あんなにたくさんしたのにまた抱いてほしいなんて。ほんとまどかは欲しがりだな」
『欲しがってないしっ!』
「欲しがってない?」
『そう! 欲しがってない!』

 むきになって大きく口を動かす私を見て、雅文は優しく微笑む。

「残念。俺は何度だってまどかのこと抱きたいのに」

 そんな色っぽい声でささやくのは反則だ。
 昨日何度も愛されて疲れ切ったはずの体が、雅文に見つめられるとまた熱をもっていく。

 赤くなった頬に気付かれたくなくてうつむくと、つむじにちゅっと短いキスが降ってきた。

「まどか。これ受け取ってくれる?」

 なんだろうと私が恐る恐る視線を上げると、雅文の手には小さな四角い箱があった。
 私はそれを見て息をのむ。

 雅文の長い指がゆっくりとその箱を開いた。
 中には大きなダイヤが輝く豪華で美しい指輪があった。

「三年前、アメリカに行く前にこの指輪を渡してプロポーズするつもりだったのに、俺が臆病で勇気がなかったせいで渡すのがこんなに遅くなった」

 雅文は、三年前から指輪を用意してくれていたの? おどろく私の前で、雅文は指輪を取り出し私の手を取った。

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