執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~


「……うん。これからはずっと私のそばにいてね」

 鼻をすすりながらそう言うと、私の声は情けないくらいかすれていた。
 思わずふたりとも同時に噴き出す。

 甘いムードが一気にほどけ、肩を揺らしながら笑いあった。

「俺が無理させたせいだけど、本当にひどい声だな」

 そう言われ、ひりひりと痛むのどを押えしかめっつらをしていると、雅文がふてくされた私のことをかわいくてたまらないという表情で胸に抱きしめた。

「もう少しはちみつなめる?」

 その問いかけに私は雅文の腕の中で首を横に振る。

『はちみつよりも、キスがいい』

 声に出さずに吐息だけでささやくと、雅文は柔らかく微笑む。

そして、体が溶けてしまうくらい甘いキスが降ってきた。




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