執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~
エピローグ
一週間ぶりに本社に戻れることになり、私は少し緊張しながら出社した。
大きく息を吸い込んでからフロアに足を踏み入れると、一番に私の姿に気付いた大山さんが、ぱぁっと明るい笑顔になった。
「あ、広瀬さんおかえりなさい!」
大山さんの声をきっかけに、あちこちから「おー! おかえり」と声が上がる。
こちらを向けられるのは、どれも優しい笑顔だった。
あたたかく迎い入れられて、ほっとするのと同時にうれしくて胸がいっぱいになる。
「このたびはお騒がせしてすみませんでした。いろいろご迷惑をおかけしました」
私が店舗に行っている間、私の仕事は課長をはじめみんながフォローしてくれていたとを聞いていた。
私が深く腰を折って謝ると、後ろからぽんと頭を小突かれる。
「広瀬は田端のバカに巻き込まれただけの被害者なんだから、謝る必要はないだろ。ここはお前の居場所なんだ。堂々と胸を張って帰ってこい」
ふりかえると、そう言って笑うのは課長だった。