執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~
「でもこの季節にハイネックの服を着てるし」
今度は大山さんの後ろから小山さんがつっこんできた。
季節外れのハイネックで首をかくさざるをえない理由なんて、さらに言えるわけがない。
焦りながら横目で雅文をにらむと、彼は動揺する私を見て小さく笑っていた。
もう、なにその表情。
声が枯れたのもハイネックの服を着ているのも、全部雅文のせいなのに。
そう文句を言ってやりたいのに、いたずらっぽく笑う表情がかっこよすぎて、悔しいけれどきゅんとしてしまう。
「あ、珍しい。広瀬さんが指輪をしてる」
「本当だ!」
大山小山コンビのするどい追及は続き、ふたりは私の右手の指輪に気付いた。
「あ、ええと、これは……っ」
出社早々指輪に気付かれるとは思っていなくて、頬がぶわっと熱くなる。
週末ダイヤのついたエンゲージリングをもらったけれど、さすがにこんな豪華な指輪を仕事中つけるわけにはいかないと私が言うと、雅文にものすごい不満顔をされた。